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PER・PBR・ROEとは?株の割安性を見る3指標の使い方

PER・PBR・ROE は、企業の業績や財務から株価が割安か割高かを判断するための代表的な指標です。RSIMACD のようなテクニカル指標が「いつ買うか」を教えてくれるのに対し、これらは「そもそも何を買うか」を絞り込むために使います。数値の意味だけでなく、初心者が陥りやすい「割安の罠」まで解説します。

PER(株価収益率)

PER は Price Earnings Ratio の略で、株価が1株あたり純利益(EPS)の何倍かを示します。

PER の計算式 PER(倍) = 株価 ÷ 1株あたり純利益(EPS)

言い換えると「今の利益水準が続くと仮定して、投資額を回収するのに何年かかるか」を表します。PER 10倍なら10年、PER 30倍なら30年です。低いほど割安と判断されます。

当サイトでは次の水準を目安にしています。

PER評価
10倍未満理想的な割安水準
10〜15倍良好
15〜30倍やや注意。成長性の裏付けが必要
40倍超 または 赤字割高、または評価不能
⚠ PERが使えない場面 赤字企業では EPS がマイナスになるため、PER は計算できません(または意味を持ちません)。また、成長期待の高い企業は PER 50倍以上でも買われ続けることがあります。PER は「同じ業種・似た成長率の企業どうし」で比較して初めて意味を持つ指標です。

PBR(株価純資産倍率)

PBR は Price Book-value Ratio の略で、株価が1株あたり純資産(BPS)の何倍かを示します。

PBR の計算式 PBR(倍) = 株価 ÷ 1株あたり純資産(BPS)

純資産は、会社が今すべての資産を売って負債を返した場合に残る金額です。したがって PBR 1倍は「株価=解散価値」を意味し、1倍未満は理論上、会社を解散して分配したほうが株主にとって得な状態を示します。

PBR評価
0.7倍未満理想的な割安水準
0.7〜1.5倍良好
1.5〜4倍やや注意
4倍超割高

ただし、銀行・鉄鋼・海運などの業種では PBR が構造的に 1倍を下回り続けることが珍しくありません。業種をまたいだ PBR の比較には意味がないと考えてください。

ROE(自己資本利益率)

ROE は Return On Equity の略で、株主が出したお金を使って、どれだけ効率よく利益を生み出したかを示します。

ROE の計算式 ROE(%) = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100

PER と PBR が「株価が高いか安いか」を見る指標なのに対し、ROE は企業そのものの稼ぐ力を見る指標です。日本企業の平均は 8〜10%程度で、10%を超えれば優良とされます。

ROE評価
15%超理想的な高収益
8〜15%良好
0〜6%やや注意。資本効率が低い
0%未満(赤字)問題あり
⚠ ROEが高すぎる場合の注意 ROE は分母が自己資本なので、借入を増やして自己資本を圧縮すれば数値上は上昇します。大規模な自社株買いでも同様に上がります。ROE 30%といった数値を見たときは、本業の収益力によるものか、財務レバレッジによる見かけ上のものかを必ず確認してください。

3指標の関係を1つの式で理解する

この3つはバラバラの指標ではなく、次の関係で結ばれています。

3指標をつなぐ式 PBR = PER × ROE
※ ROE は小数で計算します(10% なら 0.1)。PER 15倍 × ROE 10% = PBR 1.5倍。

この式は定義から導けます。PER は「株価 ÷ EPS」、ROE は「EPS ÷ BPS」なので、掛け合わせると EPS が約分されて「株価 ÷ BPS」= PBR になります。

この式が意味するのは、「ROEが高い企業ほど、高いPBRが正当化される」ということです。稼ぐ力の強い会社に市場が純資産以上の値段をつけるのは合理的だからです。

逆に言えば、ROEが低いのにPBRが高い企業は割高であり、ROEが高いのにPBRが低い企業は見過ごされている可能性があると判断できます。3つを個別に見るのではなく、この関係で捉えると精度が上がります。

✓ 実践的な絞り込み方 ROEが10%以上あり、かつPERが15倍以下という条件は、「稼ぐ力があるのに市場からの評価が追いついていない」銘柄を探すシンプルで有効なフィルターです。当サイトの「🔄 黒字転換」タブでは、これに業績の回復傾向を加えた条件でスコアリングしています。

配当利回りと営業利益率

配当利回り

株価に対して年間いくらの配当を受け取れるかの割合です。当サイトでは 4%超を理想、2.5〜4%を良好としています。

注意すべきは高すぎる利回りです。配当利回りは「配当額 ÷ 株価」なので、業績悪化で株価が下落すると見かけ上の利回りが跳ね上がります。6%を超える銘柄は、市場が減配を織り込んでいる可能性を疑ってください。

営業利益率

売上高に対する営業利益の割合で、本業の収益力を示します。当サイトでは 20%超を理想、10〜20%を良好としています。

ただしこの指標は業種による差が極めて大きい点に注意が必要です。ソフトウェア企業なら20%超は珍しくありませんが、卸売や小売では数%が普通です。必ず同業他社と比較してください。

当サイトの判定基準まとめ

iSpeed 株おすすめランキングでは、各銘柄のファンダメンタル指標を次の基準で色分けして表示しています。

指標理想良好注意危険
PER10倍未満10〜15倍15〜30倍40倍超 / 赤字
PBR0.7倍未満0.7〜1.5倍1.5〜4倍4倍超
ROE15%超8〜15%0〜6%0%未満
配当利回り4%超2.5〜4%0.5〜1.5%0%(無配)
営業利益率20%超10〜20%1〜5%0%未満

ランキングの各銘柄には PER 12.3倍 のようなタグが表示され、 ボタンからその場で基準表を確認できます。

初心者が陥る「割安の罠」

ファンダメンタル指標で最も多い失敗が、バリュートラップ(割安の罠)です。

PER 6倍、PBR 0.4倍。数字だけ見れば極めて割安に見えます。しかし、その水準にある理由が「市場が将来の利益減少を織り込んでいるから」だとしたらどうでしょうか。構造的に縮小している業界の企業は、何年も割安なまま株価が上がらない、あるいはさらに下がり続けることがあります。

⚠ 「安い」と「割安」は違う 安い=数値が低いだけ。割安=実力に対して市場の評価が低い。この2つを区別できるかどうかが分かれ目です。区別するには、利益が成長しているかを必ず確認してください。PERが低く、かつ増収増益が続いている企業こそが本当の割安株です。

もう一つの対策が、テクニカル指標との併用です。割安な銘柄のなかでも実際に株価が動き始めたものを選べば、「安いまま放置される期間」を避けやすくなります。当サイトがファンダメンタルとテクニカルを両方スコアに組み込んでいるのは、この考え方によるものです。

よくある質問

PERが低い銘柄を買えば儲かりますか?

そうとは限りません。PERが低いのは、市場がその企業の将来の利益成長を期待していない、あるいは業績悪化を織り込んでいるからである場合が多くあります。これは割安ではなく「安いなりの理由がある」状態で、バリュートラップと呼ばれます。PERの低さだけでなく、利益が成長しているかどうかを必ず併せて確認してください。

PBRが1倍未満なら必ず割安ですか?

理論上は解散価値を下回る水準ですが、そのまま割安とは言えません。銀行や鉄鋼など、業種によっては構造的にPBRが1倍を下回り続ける例が多くあります。またROEが低い企業は資産を有効活用できていないため、PBRが低いこと自体が市場からの評価とも言えます。同業他社との比較が不可欠です。

ROEは高ければ高いほどいいですか?

一般に10%以上が良好とされますが、極端に高い場合は注意が必要です。ROEは純利益を自己資本で割った値のため、借入を増やして自己資本を圧縮すれば数値上は上昇します。また大規模な自社株買いでも上がります。ROEが高い理由が本業の収益力によるものか、財務レバレッジによるものかを確認してください。

配当利回りが高い銘柄は買いですか?

利回りが6%を超えるような場合は、むしろ減配リスクを疑うべきです。配当利回りは配当額を株価で割った値のため、株価が業績悪化で下落すると見かけ上の利回りが上がります。その後に減配が発表されて株価と配当の両方を失う例は珍しくありません。利益で配当を賄えているか(配当性向)を確認してください。

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